ぺんぎんクリニック
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  • 院長 中條 進
  • 〒735-0006 広島県安芸郡府中町本町1-4-12
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心臓の病気、自律神経との関係は?

狭心症は一過性の心筋虚血(心臓に酸素がいかなくなる,あるいは不足する状態)に伴って、発作性の狭心痛をきたす病態のうち、冠動脈(心臓に分布し、心臓に栄養している動脈)の器質的あるいは機能的病変を伴うもの定義されます。狭心症で急性に心筋虚血(酸素不足)を来す原因としては、心筋酸素需要量の増大と冠動脈の枝の血流減少が挙げられます。心筋酸素需要量の増大の典型は労作性狭心症であり、冠動脈の枝の血流減少の典型は異型狭心症と安静時狭心症で、冠動脈のけいれん(スパスム)がその本態です。労作性狭心症は労作(仕事や運動)により心筋酸素需要量の増大を来し、冠動脈の枝の部分で心筋虚血状態が出現し、胸痛をきたす状態です。この時も胸痛がストレスになり、交感神経を刺激し、血管も細い部分でより狭くなるためさらに胸痛がひどくなるという状態が出現します。異型狭心症や安静時狭心症(冠れん縮狭心症)の場合には冠スパスムス(冠動脈のけいれん)が原因で、特徴は心筋酸素需要量の増大がないのに狭心痛が起こることです。いずれも自律神経系の乱れにより、冠スパスムを起こし、狭心痛の発作が起こるものと考えられています。いずれにしても自律神経系の乱れが後押ししているわけで、特に交感神経が優位な人は非常にリスクが高いと言えます。

ストレスと自律神経

現代はよく言われているようにストレス社会です。しかしながらストレスに対して無頓着な人が多すぎると思います。ストレスは自律神経を刺激して、交感神経の過敏状態を引き起こし、それがひいてはあらゆる病気の元となっていきます。しかしながらこの事実を認識している人がなんと少ないことか? ストレス研究のメッカ、カナダストレス研究所所長のリチャード・アール博士(かの有名なストレス学の父、ハンス・セリエの共同研究者)は、ここ30年間の研究で、慢性的なストレスは健康を害す、そして慢性的な仕事上のストレスに仕事上の満足が得られない状態が加わると、回復不能な病気や障害の状態に陥ると述べています。自律神経をコントロールすることによりがん、心筋梗塞、脳梗塞等のいわゆる生活習慣病から逃れる予防効果が期待できるからです。たとえば血圧の高低、あるいはコレステロール値の多寡をひどく気にする人がいますが、そのひどく気にすること自体が本人にとってストレスになっていることを認識すべきです。そしてそのストレスがトータルとして体に良くない働きをしていることを認識すべきです。このストレスをコントロールすることが今後の最重要な課題だと思います。ストレスのコントロールは気分をリラックスさせれば良いとよく書かれていますが、それができないため自律神経のアンバランスを来しているわけで、別の方法に頼るほうが確実です。

冷え性とは?自律神経との関係は?

冷え性になぜなるか? 冷え性の状態はなぜ起こるのかを考える必要があります。その答えは自律神経です。自律神経という言葉を聞いたことがありますか。自律神経は心臓や肺、胃や腸、血管(リンパ管?)を支配しています。手を動かしたり、顔の筋肉を自分の意志で動かすことは出来ますが、胃や腸を自分の意志で動かすことは出来ません。この神経を自律神経と言います。自律神経には2種類あり、働けタイプの交感神経と休めタイプの副交感神経とがあります。たとえば血管についてみると交感神経はノルアドレナリンを出し、この作用で末梢の細い血管を閉める働きがあり、そこより先は冷えてきます。副交感神経は逆に血管を拡げる働きがあります。冷え性の人は交感神経の働きが優位な人です。交感神経は汗腺(汗を出すところ)は開く働きがあるため冷え性の人では手や足が冷たく、湿った状態のことが多いようです。ついでながら交感神経が優位な人では経験的に浮腫(むくみ)を伴うことが多く、交感神経はリンパの流れもコントロールしているようです。これまでの話から冷え性を改善するためには体を副交感神経が優位な状態にしてやる、または交感神経と副交感神経のバランスを取ってやるとよいことになります。ストレスとの関係からみると交感神経が優位な人はストレスを受けやすい傾向があります。では副交感神経を優位にする方法について話します。一番簡単には呼吸法をマスターすることです。これまでよくいわれてきた気分を鎮めるためには深呼吸をしなさいというのがありますが、これは少し間違っています。呼吸生理的には息を吐くときに副交感神経を刺激し、息を吸うときに交感神経を刺激します。ところで深呼吸をしてみなさいと言いますと、大多数の人はまず大きく息を吸い、次いで息を吐きます。結果的には深呼吸の結果交感神経を刺激することになります。このため冷え性の人は、まずゆっくり息を吐くことから始める必要があります。目いっぱい息を吐ききると人間自然に交感神経を刺激しなくとも息は吸えます。そしてまたゆっくりと息を吐けばよいのです。これはおしっこをするときに息を吸ったり吐いたりするとよくわかります。息を吐くと副交感神経が刺激され、筋肉の緊張がとかれ、おしっこはよく出ます。反対に、息を吸うときは交感神経が刺激され、筋肉が緊張し、おしっこの流れは悪くなる、あるいは止まります。副交感神経を刺激する簡単な方法はまず、口を開けて息をゆっくり吐き、ついで息を吸い、次に息をゆっくり吐くことを繰り返すことです。これにより冷え性は少しずつ改善してきます。

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